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朗報



 トイレ掃除でお困りの奥様に朗報!

 そんな宣伝文句に目を留め、私はある商品の記事を読んだ。

 なるほど!これなら、トイレ掃除も楽になるかもしれない。

 私は早速その薬品を注文した。

 使ってみると効果てきめん。あれ程言ってもするのを拒んでたのに、今では必ず夫は座ってする。

 夫に毎回盛っている薬は、小をしようとすると、大も出てしまう様になる薬なのだ。

 おかげで、便座の周りはいつもきれいで、爽快。

 最初の内、私の知らないうちに、夫の下着が新しくなっていたから、色々あったのかもしれないが、まあ、良しとしよう。

 みんなにも勧めなくっちゃ。

終わり

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鑑定



「実は、ショウタのDNA鑑定をしたんだ」

 出し抜けに夫がそう言った。
 私は突然のことに固まってしまい、ただ驚いた顔で彼の顔を見つめた。

「そうしたら、ショウタは俺の子で間違いなかった。疑ってすまない」
 深々と頭を下げた。

 私は驚いた声で言った。
「えっ!」

 それを聞き、直ぐに夫は顔を上げた。面白いほど動揺している。
「えっ、てなんだよ?えっ、て」
 私に詰め寄ってきた。

 私は否定した。
「えっ、て言ったんじゃないわ。ええ、って言ったのよ。ええ、あなたの子よ、って意味でね」

「嘘だ、明らかに、えっ、て驚いてた。なんだよ、なんでショウタが俺の子だと驚くんだよ」
 
 夫は半狂乱になっている。いい気味だ。妻の貞操を疑うような男には、こういう仕打ちがお似合いなのだ。
 当分、疑心暗鬼になって、私の身辺でも調査するがいい。その間、こっちも離婚の準備を着々と進めてやるからな。許さん。


終わり

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降霊



「それで、お望みの人と、お話することができたでしょうか?」
 霊媒師を務める私は、降霊を終え、客である女に聞いた。

「はい」
 女は青ざめた顔で言った。
「やはり、彼は、私が交際を断ったのが原因で命を断ったと。事故ではなかった……」

 女はハンカチを目に当て、涙ぐんだ。
 しかし、その瞳の奥に浮かぶ優越感を私は見逃しはしなかった。
 
 やはり、あの受け答えで良かったか。
 
 この商売は、事前の調査と、相手の心理の文を読むのに長けていることが肝心だ。
 私は本当に死人の声が聞こえるのだが、未だにそのまま正直に言ったことはない。死んだ者の本当の気持を語ったところで、誰が得するというのだ。

 相手が聞きたいことを話す、それが商売のコツなのだ。

終わり

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教訓



 早朝、私は旦那様を起こさないように、そっとベッドを抜け出し、朝食の準備をする。
 
 最初にお味噌汁の準備にかかる。私、特製の出汁が入ったペットボトルを冷蔵庫から取り出す。
 だいぶ、減ってきた。また足さなくちゃ。旦那様は、この出汁を使ったお味噌汁が大好物なのだ。
 
 もちろん、ご先祖様の教訓に従い、これを補充するのは、旦那様が家にいない時だ。見られたら、きっと私も旦那様に捨てられてしまうに違いないから。
 
 それにしても、私を助けてくれたのに、旦那様はあの有名な昔話を知らないらしい。私の身の上を疑いもしない。
 一生、知らないままでいてくれないかなあ。

 副題 蛤女房の子孫



終わり

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命令




「それでは何なりとご命令ください」
 彼女がそう彼に言った。さんざん苦労し、ようやく手に入れた、高性能の美少女型アンドロイドだった。
 
 彼は言った。
「何なりとご命令ください」
 
  高性能アンドロイドは即座に意を汲み取り、片足を上げた。
「靴を舐めなさい」
 
 男は歓喜の内にひざまずいた。



終わり

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火消茶腕

Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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