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教訓



 早朝、私は旦那様を起こさないように、そっとベッドを抜け出し、朝食の準備をする。
 
 最初にお味噌汁の準備にかかる。私、特製の出汁が入ったペットボトルを冷蔵庫から取り出す。
 だいぶ、減ってきた。また足さなくちゃ。旦那様は、この出汁を使ったお味噌汁が大好物なのだ。
 
 もちろん、ご先祖様の教訓に従い、これを補充するのは、旦那様が家にいない時だ。見られたら、きっと私も旦那様に捨てられてしまうに違いないから。
 
 それにしても、私を助けてくれたのに、旦那様はあの有名な昔話を知らないらしい。私の身の上を疑いもしない。
 一生、知らないままでいてくれないかなあ。

 副題 蛤女房の子孫



終わり
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テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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No title

男「調理場をのぞいたことを妻は知らないでいるようで安心だ。妻はいつもながらうまいみそ汁をこしらえてくれる。蛤女房の話も知っている。それで万事オーケーではないか。今のところの唯一の不安は、わたしが長いこと独身を続けてきた最大の理由である、現代社会の性的文化の多様性に妻がついていけなくなって逃げられてしまうことなのだが……」

とここまでやってほしかったです(^^;)

Re: ポール・ブリッツ 様

いつもコメントありがとうございます。

なるほど!

ポールさんの業の深さに感心いたしました。私も負けぬよう、精進したいと思います。

この世界、奥が深いですね。
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火消茶腕

Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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