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鑑定



「実は、ショウタのDNA鑑定をしたんだ」

 出し抜けに夫がそう言った。
 私は突然のことに固まってしまい、ただ驚いた顔で彼の顔を見つめた。

「そうしたら、ショウタは俺の子で間違いなかった。疑ってすまない」
 深々と頭を下げた。

 私は驚いた声で言った。
「えっ!」

 それを聞き、直ぐに夫は顔を上げた。面白いほど動揺している。
「えっ、てなんだよ?えっ、て」
 私に詰め寄ってきた。

 私は否定した。
「えっ、て言ったんじゃないわ。ええ、って言ったのよ。ええ、あなたの子よ、って意味でね」

「嘘だ、明らかに、えっ、て驚いてた。なんだよ、なんでショウタが俺の子だと驚くんだよ」
 
 夫は半狂乱になっている。いい気味だ。妻の貞操を疑うような男には、こういう仕打ちがお似合いなのだ。
 当分、疑心暗鬼になって、私の身辺でも調査するがいい。その間、こっちも離婚の準備を着々と進めてやるからな。許さん。


終わり
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ジャンル : 小説・文学

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ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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