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 いらっしゃいませ。
このブログにはしろうとが趣味で書いた創作ショートショートが載せてあります。

 

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鑑定



「実は、ショウタのDNA鑑定をしたんだ」

 出し抜けに夫がそう言った。
 私は突然のことに固まってしまい、ただ驚いた顔で彼の顔を見つめた。

「そうしたら、ショウタは俺の子で間違いなかった。疑ってすまない」
 深々と頭を下げた。

 私は驚いた声で言った。
「えっ!」

 それを聞き、直ぐに夫は顔を上げた。面白いほど動揺している。
「えっ、てなんだよ?えっ、て」
 私に詰め寄ってきた。

 私は否定した。
「えっ、て言ったんじゃないわ。ええ、って言ったのよ。ええ、あなたの子よ、って意味でね」

「嘘だ、明らかに、えっ、て驚いてた。なんだよ、なんでショウタが俺の子だと驚くんだよ」
 
 夫は半狂乱になっている。いい気味だ。妻の貞操を疑うような男には、こういう仕打ちがお似合いなのだ。
 当分、疑心暗鬼になって、私の身辺でも調査するがいい。その間、こっちも離婚の準備を着々と進めてやるからな。許さん。


終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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サンタが街にやってくる




「えっ?!サンタってお母さんだったの?!」
 私は目一杯驚いた声で叫んだ。

「だめだよ~、そんなんじゃ」
 お友達のマイカちゃんが言った。
「わざとらしすぎ~。知ってたことがバレバレ。声はもっと抑えて、びっくりした顔しなくっちゃ」

「そう?さっきみたいのじゃ駄目?」
「だめだめ。いくら大人たちが、私たちはなんにも知らないと考えてたとしても、そろそろバレる頃かなあ、とは内心思ってるんだから。
”あれ?もう知ってた?”ってなったら、お互い気まずいでしょう」

 ヨッちゃんもマイカちゃんに同調して言った。

 お父さん、お母さんの夢を壊さないように、いつ告白されてもいいように練習してるけど、うまくできるかなあ。今年は正直に言ってくれるかなあ。

終わり

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雑記 SF?






 私はある資格を持っているのですが、2年に一度、12月31日時点に居住している都道府県に届け出を出すよう、管轄省庁から言われます。
 
 今回もその旨の通知があり、届けを出すのは来年の一月なので、忘れないようにと通知をボードに張っていました。
 そして、いつものことなので、その通知は碌に読んでおらず、そのため、しばらくは気づかなかったのですが、ある日、その中に奇妙な一文を見つけました。
 そこにはこう書かれていました。


”結婚等により、本籍地の都道府県、氏名や性別が変更された場合は、変更があった日から30日以内に、登録事項の変更申請が別途必要です。”


 はあ?性別?
 これはただの間違いなのか?それとも、私が無知なだけで、性別の変更はもはや特別なことではないのか?


 最初は、姓の変更の間違いなのかと思ったんですけど、その前にちゃんと氏名と入ってるんですよね。
 間違いなのか、そうじゃないのか、正解がわからず、悶々としているんですが、もし本当に性別の変更が普通になっているとしたら、なんかSF的だなあ、と思いました。


 この話はノンフィクションです。


終わり

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万霊節






 人々と共に懸命に祈りを捧げている母親に、幼い息子が聞いた。
「お母さん、どうしてそんなに一生懸命祈ってるの?」
 顔を上げ、母親は言った。
「今日は万霊節だからよ」


「万霊節?」
 息子が聞いた。
「そうよ、今日は万霊節と言って、死んだ人のために祈る日なの」


「どうして今日そうするの?」
「なぜ今日お祈りするのか、お母さんにも分からないけど、昔からそう決まっているのよ」
 息子に正直に答えた。


「祈ると良いことがあるの?」
 息子はまた尋ねた。
「ええ、生きている人が死んだ人のために祈ると、死んだ人がいる煉獄でのお勤めの期間が、短くなると言われているのよ」


「煉獄?煉獄って何?」
 多分聞かれると思っていた母親は、笑って答えた。
「煉獄というのは死んで天国に行く前に、私たちが行かなくちゃいけないところなの。とっても偉い、聖人と言われるような人は別だけど、普通の人たちは、良いこともしているけれど、やはり悪いことも、少しはしているものなのよ。嘘をつくとかね。それで、死んだら最初に煉獄に行って、天国に行けるくらいきれいな心になるように、お勤めするわけ」


「ふ~ん」
 息子はそれで納得したようだった。しかし、また急に母親に尋ねた。
「それじゃ、地獄はどうなの?今の話だと、人は死んだらまず、煉獄に行くけど、最後には天国に行けるんでしょう?地獄に行く人はいないの?」


「勿論、地獄に行く人も大勢いるわ。煉獄に行く人はごく普通の人たちで、悪人は別。すぐ地獄行きよ」
 それを聞き、息子は首をかしげた。
「じゃあ、お母さんはなぜ祈ってるの。お母さん、お父さんは絶対地獄行きだって言ってたよね。お父さんが煉獄に行ってないなら、祈っても無駄じゃない?」


「まだ、警察はお母さんのことを疑ってるからよ。さあ、あなたも一緒に祈りなさい」
 母親は息子をひざまずかせた。


終わり




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Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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