コンテントヘッダー

目次1~100

1、「前書き そんな時代」 創作をする方々に

2、「原罪 はじめてのつみ」 宗教注意

3、「白衣の天使」 看護師さんが好きな人どうぞ

4、「風邪薬」 夢の風邪薬です

5、「選ばれた男」 ホラー?

続きを読む

スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー

目次101~

101、「神はサイコロを振る」 ある男が罪に問われ
    「神はサイコロを振る」(オチ付け足し)

102、「奇跡」 起きる時は起きるのかも

103、「奇跡は起こらなかった」 検死担当医が呼ばれて

104、「黒いサプライズ」 シモネタ注意

105、「白いサプライズ」シモネタ注意. 

続きを読む

このページのトップへ
コンテントヘッダー

お遊び小説「ウチイリ」




 静かに雪が降り続く夜の庭先で、二人の男が対峙していた。

「ようやく見つけたぞ!キラ!覚悟しろ!」
 片方が言った。
「ふふふ、よくここまで来たな、オーイシ。褒めてやろう」
 それに対し、もう片方が憎々しげに答えた。

 やっといたよ、ラスボスのキラ。
 しかし、何でこいつ炭小屋なんかにいるんだ。探しまわったよ、さんざん。屋敷の方々を。
 しかも見つけたと思ったら、こいつ、白い寝間着姿の白髪の老人だし。一瞬、また雑魚キャラかと勘違いしちゃったじゃないか。
 
 でも、こいつの周辺の雰囲気が全然違ってて、しかもすごい悪人顔。BGMもそれっぽいのに変わった。ラスボスらしい。さて、戦闘に入るのか!

 って思ったら、両脇に新たな敵が現れやがった。
 あれ、こいつら見たことあるぞ。

 左側には十手を構えて、ゴヨー、ゴヨー言う、目明かし。こいつコインを投げてくるんだよな。
 そして右側には合羽に三度笠、旅がらす姿の男。こっちは長い爪楊枝を吹いてくるんだっけか。
 
 両方とも前に倒した中ボスじゃん。そうか、そういう作りか。ラスボス戦前に以前倒した中ボス達が復活してくるってやつだな。
 しかも前よりもちょっと強くなってるんだよな、大抵。

 こいつらと戦った時より、今はこっちのレベルは格段上だけど、三人がかりだ。あっという間にライフゲージが下がって来た。やばい。

 やっぱり、ハードモードは最後もきついな。でも、イージーモードだと仲間が46人もいる設定らしいからなあ。何でそんなに味方の数を増やしたのか、超ヌルゲーになるに決まってるだろ。第一仲間全員覚えられるのかよ。

 
 いやー、死んだ。ほんときついわ。
 案の定、一人を倒すとまた次の中ボスが再登場してきた。

 忍者の頭領、なんか子どもを乳母車に乗せている浪人と来て、全盲で仕込杖持ってるあんま、片目片腕の男。最後は何故か真ん中が老人の三人組。こいつらに印籠をかざされるとしびれて動けなくなるから始末に悪い。

 何回も死んで、それでも全ての中ボスをやっと倒して、いよいよラスボスとの一騎打ちとなった。また音楽が変わる。あれ?ラスボスでかくなってね?
 いつの間にか両手に刀持ってるし。

「よくぞ、配下の者をみな倒した。敵ながら見事な腕前。感心、感心。だが、我が二天一流の剣技。オーイシ、果たして貴様に受けきれるかな?」
 鬼のような形相で両刀を構える。
 それに負けず、オーイシは八相に構えて言った。
「こちらとて柳生新陰流免許皆伝の身、いざ、勝負!」

 会話が終わり、戦闘シーンに変わった。
 うわっ、つえー!

 刀二本持ってるから、こっちの攻撃を一刀で完全に受け、直ぐ別の刀が攻撃してくる。
 こちらが攻撃を防いでも、やっぱり別の方から二刀目が襲ってくる。距離を取らないとまずい。

 さんざん逃げまわったが、相手のスピードもものすごく、すぐに庭の隅に追いつめられる。
 駄目だ、死んだ。

 何回か同じことを繰り返したが、さっぱり勝機が見えない。このままでは駄目だ。なんか攻略法があるはずだ。
 俺は考えた。
 そこでよくみると、キラへはその本体だけでなく手に持っている刀にも攻撃ができるように表示されてる。なるほど、そういう事か。

 俺は方針を変え、防御力が一番低そうな脇差しのみを攻撃することにした。
 逃げまわっては隙を見て脇差し攻撃。何回かそれを繰り返し、ついに脇差しを折ることに成功した。
 やった!これで一刀同士。これで勝てるだろう。

 と思ったら、相手の刀を受けた瞬間、こちらの刀が折れた。マジ?!
 なすすべもなく、次の攻撃であっけなく死んだ。

 考え方は悪くないはずだ、と思い、また同じ戦略を試みる。けれど相手の一方の刀を折って、次に戦うと何度やってもこちらの刀が折れる。クソ!どうしたらいいんだ。
 俺はまたしばらく考えこんだ。
 
 メニューを開き、なにかいい方法か道具がないか見てみる。すると戦闘コマンドに新しいものが追加されていた。そうか!これを使うのか!

 俺は再びキラに挑んだ。
 隙を伺い脇差しを攻撃、その刀を折る。
 続けて攻撃すると、俺の刀は折れた。ここからだ!

 すぐに相手と距離を取り、折れた刀を捨てる。キラは振りかぶり、まっすぐに突っ込んできて、オーイシの頭を割ろうとした。今だ!真剣白刃取り!

 決まった!
 キラの刀を両手を貼り合わせるようにしてオーイシが掴んだ。
「むむむっ」
 刀は動かない。キラが声を発する。

 キックのコマンドを選択して入力すると、キラの腹をオーイシが蹴り、キラは刀を離し吹っ飛んだ。
 勝ったな。

 仰向けに倒れたキラの身体は縮み、みすぼらしい老人の姿となる。
 近付いてみたが、ピクリとも動かない。

 戦闘終了の音楽が鳴り、ホッとしていると、雑魚キャラの侍が大量に現れて、オーイシを囲んだ。
 まだ続くのか?

 と、思っていると、
「ヒカエー、ヒカエー!」の声とともに、白馬に乗って、着飾ったいかにも偉そうな男が現れた。
「われはショーグンヨシムネなるぞ!」

 男が自己紹介すると、侍たちが一斉に土下座した。こいつらと戦わなくて済みそうかな?

 ショーグンはオーイシの方を向くと言った。
「さて、オーイシ、主君の仇、見事果たしたことは天晴である。よって……」

 場面は変わり、オーイシは広い畳の部屋で白装束をまとい、今まさに切腹しようとしてた。

 ハードモードでクリアした場合、その類まれなる名誉のお陰で、室内でしかも畳を三枚も重ねた上で切腹できるんだそうだ。
 ちなみに、イージーモードクリアは庭先でゴザの上での切腹となるらしい。

 オーイシ、末代まで語り継がれるであろう武門の誉れを獲得。ゲームクリア!

 そんな文字が出て、時代劇風ゲーム「ウチイリ」は終わった。
 はっきり言ってクソゲーだった。メーカーの猛省を期待したい。


尾張


 この作品はブログ村トーナメント、時代劇風小説に参加しようとして書きました。が、締め切りを勘違いしていて、間に合いませんでした。
 ショートショートではないようだ気がしますが、ここに晒します。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。
このページのトップへ
コンテントヘッダー

スローバラード


「それで?」
 目の前の女が聞く。
「それで?それで・・・」
 俺はその後のことを語った。

「市営グランドの駐車場に車を停めた。そこが何て言うか、一番誰に目にも付かないっていうか、一晩中車を停めていても、おかしくないところだと思ったから。実際、俺の車の他にも、すでに2,3台停めてあったし」
 俺は女に説明した。女は俺を見つめ、頷いた。
「そう。そこで一晩過ごした訳ね?」
 声はやさしい。慈愛にあふれている。
「そうだ。金も底をつきかけていたんで、どこにも泊まることが出来なかったから。それで、車の中で寝た。さすがにもう寒くなってきてたから、ヒーターをつけていたいところだったんだが、とにかく、金がなくて。ガソリンの無駄遣いをしたくなかったんで、毛布にくるまって寝たよ。あの娘と、レンレンと二人で」

 突然、会社が倒産した。俺には碌なキャリアもなく、再就職は困難を極めた。
 職を求めてさまよう内、俺は精神を壊し、やがて蓄えもなくなって、部屋にいられなくなった。
 車だけが残って、俺は別れようとしたけど、レンレンは俺について来た。
 最初は二人で安ホテルを泊まり歩いたけど、ついにそれもできなくなった。

 一晩中車を停められるところを探して、街を転々とした。
 そして昨夜は市営グランドの駐車場に。
 二人で毛布にくるまって。
 満足に食事も出来なくて、体が冷えてしょうがなかった。

 「気分を変えるために、いつもの様にカーラジオをつけた。いろいろな番組をやっていたけど、前に流行った、スローバラードが流れてきたんだ。有名なやつだ。俺はそれを聞いて、いろいろあって、泣きだしてしまった。そしたら、あの娘がぎゅっと手を握ってきた。その手のぬくもりで、俺はいくらか落ち着いて、その手を握り返したよ。窓の外には霧が出てきていた。
 そうこうしている内にうとうとして、そこで夢を見た。湖の夢だ。ボートに乗ってる。レンレンもいた。ボートを揺らすと、レンレンは怖がって。それが俺には面白くてさらに揺らして。そんな夢だ」

 俺はここで一息ついた。女は黙って俺を見ている。俺は話を続けた。
 「目を覚ますとまだ夜中だった。夜霧が窓を包んでいたよ。その時、レンレンが突然言ったんだ。
 『ボート揺らしたら危ない』って。
 俺は何?って聞き返したが何も答えなかった。どうやら寝言のようだった。
 驚いた。同じような夢を見ていたらしい。
 ああ、やはり二人はつながっているんだ、と思ったよ。二人のこの絆があれば大丈夫だ。今は八方塞がりでも、大丈夫だ。俺はそう思ったよ」

 俺の長い独白を黙って聞いていた女は、俺がもう言うことがない、と見て取ったのか質問した。

「XXXXXさん、今言ったことは本当に昨夜あったことなんですか?」
 目に強い力がある。嘘は許さない、と言っている。
 俺は驚いて返した。
「ああ、そうだよ。こんなこと嘘ついて何になる」
 それを聞き、女は俺の目をじっと見つめた。
「昨夜、市営グランドの駐車場に停めた車の中で、レンレンがあなたの手を握り、あなたはその手のぬくもりで、混乱が治まるのを感じた。そして、深夜にはレンレンの寝言まで聞いた、と。そうおっしゃるんですね?」
 声の調子が強くなっている。俺は、それにたじろぎながらも答えた。
「そうだ、そう言ったろう。一体何が言いたい?」
 俺の言葉を聞き、女は身を乗り出してきた。
「今朝、市営グランドの駐車場の車の中で、動かず返事もしない二人が発見されました。あなたとレンレンです。二人はすぐ救急車で近くの病院に運ばれた。あなたはただの栄養失調、でもレンレンは死んでいた」

 そう、死んでいた。朝にレンレンは冷たくなっていた。俺はもう、なにもする気もなくて、車のドアの外で叫ぶ男たちを無視した。そしたら、無理やりドアをこじ開けられ、病院に搬送されて。

「ああ、ああ、レンレンが死んでしまった。レンレンは死んでしまった」
 俺は泣きだした。
 それには物ともせず、女が言った。

「XXXXXさん、聞きなさい。いいですか。こちらの検死では、レンレンはすでに死後3日経っているという結果が出ました。お気持は分かりますが、よく思い出してください。本当にレンレンは昨夜まで生きていたんですか」
 
 その言葉に俺はショックを受けた。
「3日?そんな、そんなことない。昨夜確かに聞いたんだ。レンレンの寝言を。『お父さん、ボート揺らしたら危ない』って。ああ、おんなじ夢見てるなって。ぎゅっと手を握って。ラジオからスローバラードが流れて。
3日?そんな、いくら何でもそんな」

 突然、会社が倒産して、俺は職を求めてさまよって、精神を壊して。それで、それで、レンレンが、娘が死んだのも分からなくなってたのか。

 レンレン、俺の娘。むすめ。ムスメ?
 俺に娘などいたか?母親は誰だ?
 
 分からない。頭の中でスローバラードが流れる。俺は混乱の内に涙した。


終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

このページのトップへ
コンテントヘッダー

岬めぐり


「ここ、行ったことあるの。学生時代に。友達みんなと。けっこう良かったよ。今度一緒に行きましょうよ」

 妻の言葉が思い出された。彼女が話題にしていたその場所に、今私は訪ねてきた。

 目的地の岬をめぐるバスに乗る。窓に青い海が広がる。

”そんな歌があったな”

 私は水平線を見つめ、昔のことを思い出した。

 到着後、岬の先端の崖の上に立った。まわりは家族連れか、カップルでみんな幸せそうだ。一人旅は私だけ。

 激しい波が崖の下の岩を打っては砕け散る。その様子をしばらく眺めていた。

”クローサ、ぼくは君をずっと君を愛してたかった”

 心の中でそうつぶやき、ポケットに入れてあったUSBメモリを海に投げた。

 中身は妻と奴の画像。密会の証拠だ。このデータで確実に離婚は成立、慰謝料をとることができるだろう。しかし、調査の結果、妻は最近関係を精算したらしい。

”もういい。全てを無かったことにしよう”

 悲しみを深く胸に沈め、踵を返し、私はバス停に向かった。

 ”旅を終え、街に帰ろう。そして、今までどおりの生活を続けるんだ。でも、ここに二人で来ることはないだろう。ここを再び訪れるのは辛すぎる”

 私は海の音を聞きながらそう思った。


XX新聞朝刊

バスが崖下に転落 死傷者多数

 Z岬を運行中のバスが誤って崖に転落。死者一名、重軽傷者24名の惨事となった。

 「なぜあんな場所へ一人で行ったのか、私にはわかりません」

 死亡したフラン氏の妻、クローサさんが語った。


終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

このページのトップへ
このページのトップへ
プロフィール

火消茶腕

Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR