コンテントヘッダー

初めてご訪問された方へ



 いらっしゃいませ。
このブログにはしろうとが趣味で書いた創作ショートショートが載せてあります。

 

続きを読む

スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー

目次1~100

1、「前書き そんな時代」 創作をする方々に

2、「原罪 はじめてのつみ」 宗教注意

3、「白衣の天使」 看護師さんが好きな人どうぞ

4、「風邪薬」 夢の風邪薬です

5、「選ばれた男」 ホラー?

続きを読む

このページのトップへ
コンテントヘッダー

目次101~

101、「神はサイコロを振る」 ある男が罪に問われ
    「神はサイコロを振る」(オチ付け足し)

102、「奇跡」 起きる時は起きるのかも

103、「奇跡は起こらなかった」 検死担当医が呼ばれて

104、「黒いサプライズ」 シモネタ注意

105、「白いサプライズ」シモネタ注意. 

続きを読む

このページのトップへ
コンテントヘッダー

喫茶去


 あれは私が中学一年生の時だった。
 
 夜、居間でテレビを見ているとテーブルに置いてあった母の携帯が鳴った。メールが届いたようだった。
 母はちょうどお風呂に入っていたので、私は何の気なしに、携帯を手に取り覗いてみると、父からのメールだった。

 そこで私は、何の用事か、急ぎならドア越しにでも母に伝えようと思い、中身を見た。
 すると、そこにはこう書かれていた。
「紅茶を飲みませんか?」

 は?なにこれ?紅茶?
 多分、探せばどこかにティーバッグはあるだろうけど、我が家ではめったに紅茶は飲まない。普段はコーヒー、たまに日本茶だ。

 それに父が母にこんな丁寧な言葉を使うのを聞いたことが無い。多分、母に言うとすれば、「紅茶飲まないか?」だと思うんだけど。

 私は強い違和感を覚え、風呂から上がった母に、「お母さんとお父さんって二人で紅茶を飲んだりしてるの?」と、たずねた。
 母は何のことか分からないような顔をしたので、断りもなくメールを見たことを詫びるとともに、父からのメールを見せた。

「あら、何のことかしら?」
 母は本当に何のことか分からないようで、
「お父さん、誰かと間違ってメールしてきたんじゃない」と、
 おっとりとした顔で、そう言った。

 そうか、間違いメールか!
 なら、うちでは飲まない紅茶のことを書いてるのも、丁寧な言葉づかいも納得がいく。でも、そうだとしたら?

「間違いって、お父さん、こんな文面、誰にメールするの?変だよ。
 ねえ、お母さん。ひょっとして、お父さん、誰かと浮気してるんじゃない?毎晩帰ってくるの、ずっと遅いし」

 それを聞き、母は笑いだした。
「お父さんに限ってそんなこと絶対ないわ。あなたの考えすぎよ」と、てんで相手にしない。母は父のことを根っから信用しているようだった。でも、私はそうは思えなかった。どう考えてもこのメールは怪しい。

 それから暫くの間、私は父の携帯を盗み見ることに専念した。
 父は仕事の関係上、常に携帯をそばにおいていたので、チャンスは父が風呂に入っているときしかなく、しかもロックがかかっていて、4桁の暗証番号を解くのにかなりの時間を要した。

 それでも努力は実り、ロックの解除に成功し、父のメールを覗いてみると……。

 父が浮気していたというのは誤解だった。

 今では2児の母親である私は、我が家の伝統に則り、あれは暗号で呼んでいる。
 
 今日、夫から「ワインを飲みませんか」と、メールが届いた。
 私は「もちろん」と返事を出した。

終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

このページのトップへ
コンテントヘッダー

名探偵の見解




「君は本当のところ、どう思ってるんだい?」
 探偵にその友人が尋ねた。
「遠慮せずに、君の正直な考えを聞かせてくれないだろうか?」

 それを聞き、探偵は軽くため息を付いた。
「君がどうしても知りたいというのなら、僕が今回の件で考えていること話してもいいんだが……。本当に聞きたいかい?」

「ぜひ、聞かせてくれ」
 友人はうなずいた。

 友人の決意を見て取り、探偵が言った。
「今回、君はずっと原因を探していたね。どうして?なぜ?ってね。
 その気持は分かるけれど、でも、僕から言わせてもらえば、その問い自体、不毛な行為だったと思うんだ」

「どうしてこうなってしまったのか、考えちゃ駄目なのか?」
 友人は驚いて反論した。
 それを聞き、探偵は即座に否定した。

「いや、あらゆることは因果に支配されているから、あることが起こった原因は必ずあるのだろうけど、相手が家事や育児を一切手伝わず、ろくに稼ぎもせず、自分を冷たくあしらい、あるいは暴力を振るったとしても、ほとんどの人は不倫に走ったりはしない。離婚は考えるだろうけど。
 君の奥さんが間男を作ったのは、君のせいではない。君が結婚生活で奥さんに対してしたことを悔やんでいるのは的はずれだと思う。実際、君は良き夫で良き父親だった。僕が断言するよ」

「じゃあ、どうして」
「それは君の奥さんがそういう人だったからだよ。多分、君が相手でなくても、同じような状況になれば、やっぱり不倫したと僕は思うね」

「つまり、僕に見る目がなかった?」
 探偵はかぶりを振った。
「いいや、それ以前の話じゃないかな。君は君の奥さんと一緒になる時、そういう目で見たことなど一度もなかったろう?結婚したらよその男に目もくれないでいてくれるだろうか、とか考えたこともなかったはずだ。
 二人の馴れ初めは僕も知っているが、君が一目ボレして、押しに押してつきあい始めたんだよね。つまり、君の奥さんは美人であり、押しに弱いんだ。自分から誰かを好きになることはなくて、好意を示してきた人を自分も好きになる、そういう心理が強いのだろう。間男もだいぶ強引にアプローチを掛けてたらしいから」

「妻はもともと、浮気をする人だったということか?ぼくがどう振る舞おうと?」
「言い寄ってくる男が現れればね」

「では、しょうが無いことだったということなのか?」
「そういうことになるのかな。君たちが結婚したのがある意味間違いだったのさ」

「じゃあ、間男が死んだのもしょうが無いことだよな。妻を寝取られても、ほとんどの人は間男を殺すようなことはしない。でも、どうしても許せなくて、自分に疑いがかからぬよう、計画的に間男を殺害してしまうような、そんな人間もいる。そして、多分、それを見抜いてる長年の友人を手にかけてしまう者も」

 友人が立ち上がり、探偵の方に近づいた。
「確かに、そういう人を友人にしてしまう者もいるだろうけど、探偵は違うんだ。探偵は誰一人信用していない。たとえ友人でも。警部!」

 隣室に控えていた警部が現れ、友人は連行されて行った。

終わり


テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

このページのトップへ
このページのトップへ
プロフィール

火消茶腕

Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR