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 いらっしゃいませ。
このブログにはしろうとが趣味で書いた創作ショートショートが載せてあります。

 

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目次1~100

1、「前書き そんな時代」 創作をする方々に

2、「原罪 はじめてのつみ」 宗教注意

3、「白衣の天使」 看護師さんが好きな人どうぞ

4、「風邪薬」 夢の風邪薬です

5、「選ばれた男」 ホラー?

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目次101~

101、「神はサイコロを振る」 ある男が罪に問われ
    「神はサイコロを振る」(オチ付け足し)

102、「奇跡」 起きる時は起きるのかも

103、「奇跡は起こらなかった」 検死担当医が呼ばれて

104、「黒いサプライズ」 シモネタ注意

105、「白いサプライズ」シモネタ注意. 

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運命のいたずら




「いやー、参っちゃったわ」
 久々に会った友人がため息を付いた。

「なに?どうしたの?」
 めったに弱音を吐かない彼女が、珍しくそう言ったので、私は心配して尋ねた。

「実はね」
 目を落とし、眉にシワを寄せて彼女は言った。
「この間、ある女に訴えられちゃってねえ」

「訴えられた?!何で?!」
 私は驚いて、つい大声を出した。

「私がマンガ描いているのは知ってるでしょう?」
 友人が聞いてきた。
 私はすぐにうなずいた。友人はずいぶん前からマンガを描いていて、今ではプロだ。

「それで、この前、ある雑誌に推理モノの作品を載っけてもらったのよ。で、その話の中に、殺人が趣味という女を登場させたんだけど、その女の顔が訴えてきた女の顔とそっくりだったようなの。で、肖像権の侵害だ、名誉毀損だって」

「はあ?」
 私は驚いた。そんな偶然があるのか?
「それ本当?ちゃんと顔を見せてもらった?と言うか、確認した?」

「ええ、ちゃんとしたわ。相手は自分の顔写真送ってきたし、フェイスブックとか、インスタとかでも確認したけど、間違いなく、私が描いた女にそっくりだった」

「ふえー、そんなこと、あるんだー」
 私はただただ驚いた。世の中にはまだまだ不思議な事が転がっているのかもしれない。

「まあ、そんなに不思議な偶然でもないんだけどね」
 友人が、また意外なことを言った。

「はあ?何で?!」
 私はやや語気を荒らげた。なに?意味わかんない!

「実は、その殺人鬼の女の顔を作るとき、参考にしたものがあったのよ」
「なにそれ?その訴えてきた女の写真だったの」
「いいえ」
 友人は頭を振った。
「実はある有名な美容整形外科医院のホームページに載っていた、術後の女の顔をモデルにしたの」

「ああ、なるほど」
 美人というのは、そうでない我々と違って、どうしてもバリエーションに乏しくなるらしい。同じ整形病院に行った人は、美人にしてくれと言うと、どうしても同じような顔になるのだとか。

「なら、そのことをちゃんと説明したら大丈夫なんじゃないの。まあ、相手は整形を指摘されることになるから余計、つむじを曲げるかもしれないけど、訴えられても、勝てるんじゃない?」

「ん?まあ、それだけならそうなんだけどね。そうじゃないんだ」
 友人が、暗い目をして言った。
「そうじゃないって?」
 私は聞いた。

「何で、美容整形後の人の顔を参考にしたかって言うと、作品の中では、その殺人鬼は整形して美人になってる、って設定だったからなの。それで、話の中で、都合上、整形前の顔も描いたんだけど……。それも、訴えてきた女の整形前の顔に似てたの」

 私は言葉が出なかった。
 そんな事があるんだろうか?

「整形前の顔はかなりあれに描いたから、まあ、私でも事情を知らなければ、誰かが、マンガを通して自分をバカにしている、と思うだろうと、訴えてきたことには納得はしてるんだ」

「じゃ、その、相手に慰謝料かなんか払うつもりなの?」
 偶然とはいえ、一人の人を傷つけたなら、仕方がないのかもしれない。
 そんなふうに私が考えたとき、友人が言った。

「慰謝料?ああ、慰謝料ね。んー、多分払わなくて良さそう」
「なら、まあ、大変な目にあったんだろうけど、少しは良かったのかな?」

「いや、全然良くないのよ」
 友人は苦悩した声で言った。
「それどころじゃなくなっててね。実は、私が描いた問題の整形前の顔は、すっぴんの私がモデルだったの。ブス役を描くときはいつもそうしてるんだけど、そのモデルが私の顔と、訴えてきた女の顔がとても似ていたわけで」

「えっ、それって?まさか」
「そう。不思議に思って調べてみたら、あのクソ親父、浮気してよそに子供作ってたった。訴えてきた女は私の妹に当たるみたい。母も私も訴えてきた女もそのことは全然知らなかったので、今はもう、すごい修羅場。両親は離婚するかも」

 なんとまあ!これは百万に一つの偶然とでもいうのか、悪事は必ずバレるということなのか。

 私はその日、夜通し友人を慰めた。

終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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続々・ガチョウと黄金の卵




「ガチョウと黄金の卵の話は知っているわよね?」
 私は彼に聞いた。

「もちろん知ってるさ。君が続けてひどい目にあったこともね」
 彼は私を心底同情した目で見た。

 私は特別な腸内細菌を持っている。他人に移植すると、かなりの病気が治る、そんな細菌だ。
 この菌は移植しても、数日で消えてしまうし、培養もできていない。なので、私から毎回採取するしかない。

 その現状に業を煮やした元彼が、私の体の秘密を探ろうとして、無理やり私の内臓の一部を採った。
 そのせいで、彼は今は塀の中。自業自得だ。

 で、前彼といえば、少しでも私の腸内細菌群の効力を高めようと画策して、私を監禁して、強制給餌を決行。臭い食品を死ぬほど食べさせられた。
 なんとか私の肝臓がフォアグラになる前に救出され、前彼も今は塀の中。当然だと思う。

 どうも私は男運がないようだ。
 それでも諦められず、三人目の今彼に、前の二人と同じように、ガチョウと黄金の卵の話を振ってみたわけなのだが……。

「その寓話を初めて聞いたのは、多分、小学校に入る前だったと思うんだけど、その時から疑問があったんだよね。なんで、ガチョウの飼い主は卵を孵して、黄金の卵を生むガチョウを増やさなかったのかなって」
 彼が言った。

 言われてみれば。
「そう言えば、そうよね。なんでそういう話にならなかったんだろう?」
 私は疑問を口にした。

「実はその答えも考えたんだけど、思ったのは、飼い主は黄金の卵を孵そうとはしたんだけれど、うまく行かなかったんじゃないか、てことなんだ」
 彼が答えた。

「卵が孵らなかった?」
 私は聞いた。
「かもしれない。黄金の卵は雛を孵すようにはできていなかったのかもね。もしくは、孵った雛は卵を生むようになっても、黄金の卵は生まないで、普通の卵しか産まなかったのかも」

「黄金の卵を生む能力が子供には伝わらなかった、と?」
「そう。そういうわけで、黄金の卵を生むガチョウはこの世に一羽しか存在できなかった」
「なるほどね~」
 私はうなずいた。

「でも」
 彼は私に顔を近づけて言った。
「君は違う。君の力はちゃんと子どもたちに伝わるはずだよ」
 にっこり笑っている。
 そして私に向かって言った。

「子供作ろう。できるだけたくさん」
「ええ~、そんな!そんな事いきなり言われても!」
 突然の言葉に私は驚いた。

 彼と付き合いだしてまだ三ヶ月。いくらなんでも早すぎ。
 私の戸惑いを無視して、彼は続けた。
「大丈夫、君は無事に赤ちゃんを生んで、授乳さえしてくれたらいい。あとの面倒な世話はぼくに任せていい。だから、なるべく間隔を開けずに、出産して欲しい」

 真剣な目だ。本気なの?
「ええ~、でも~」
 そんな軽々しく返事ができることではないよ。

「それで、生むのは絶対娘でなくちゃね。知ってる?腸内細菌は母親から子供に伝えられているんだ。男の子だとそこで途切れてしまう。それを避けるためにも、性判別済みの精子を使うべきだね」

 大真面目で力説している。
「ああ、その前に大切なことがあった。腸内細菌を子供に伝えるには、絶対下から産まなければならないんだ。帝王切開になるような事態は絶対に避けるべきだ。
 そうなると、子供は小さく生まれる方が安全だから、そんな遺伝子を強く持っている精液が望ましいな。まあ、初産の時だけ使えばいいだけで、その後はどんなに子供が大きくても大丈夫だろうけど」

「あの、それ本気?すると私はあなたの子供を生むわけじゃないの?」
「ん?別に僕の子供でも構わないけど?ただ、僕に赤ちゃんが小さく生まれる遺伝子があるかなあ?」

 駄目だ。
 話が根本的に合ってない。

 でも、どうだろう。前の二人よりはずいぶんマシだわよね。
 父親はどうあれ、たくさんの子供に恵まれるのは、それはそれで幸せかも。

 私は彼の案に乗ることにした。
 生まれてくる娘たちには、自分の経験をよく教えておこう。

終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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Author:火消茶腕
ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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