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 いらっしゃいませ。
このブログにはしろうとが趣味で書いた創作ショートショートが載せてあります。

 

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目次1~100

1、「前書き そんな時代」 創作をする方々に

2、「原罪 はじめてのつみ」 宗教注意

3、「白衣の天使」 看護師さんが好きな人どうぞ

4、「風邪薬」 夢の風邪薬です

5、「選ばれた男」 ホラー?

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目次101~

101、「神はサイコロを振る」 ある男が罪に問われ
    「神はサイコロを振る」(オチ付け足し)

102、「奇跡」 起きる時は起きるのかも

103、「奇跡は起こらなかった」 検死担当医が呼ばれて

104、「黒いサプライズ」 シモネタ注意

105、「白いサプライズ」シモネタ注意. 

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続々・ガチョウと黄金の卵




「ガチョウと黄金の卵の話は知っているわよね?」
 私は彼に聞いた。

「もちろん知ってるさ。君が続けてひどい目にあったこともね」
 彼は私を心底同情した目で見た。

 私は特別な腸内細菌を持っている。他人に移植すると、かなりの病気が治る、そんな細菌だ。
 この菌は移植しても、数日で消えてしまうし、培養もできていない。なので、私から毎回採取するしかない。

 その現状に業を煮やした元彼が、私の体の秘密を探ろうとして、無理やり私の内臓の一部を採った。
 そのせいで、彼は今は塀の中。自業自得だ。

 で、前彼といえば、少しでも私の腸内細菌群の効力を高めようと画策して、私を監禁して、強制給餌を決行。臭い食品を死ぬほど食べさせられた。
 なんとか私の肝臓がフォアグラになる前に救出され、前彼も今は塀の中。当然だと思う。

 どうも私は男運がないようだ。
 それでも諦められず、三人目の今彼に、前の二人と同じように、ガチョウと黄金の卵の話を振ってみたわけなのだが……。

「その寓話を初めて聞いたのは、多分、小学校に入る前だったと思うんだけど、その時から疑問があったんだよね。なんで、ガチョウの飼い主は卵を孵して、黄金の卵を生むガチョウを増やさなかったのかなって」
 彼が言った。

 言われてみれば。
「そう言えば、そうよね。なんでそういう話にならなかったんだろう?」
 私は疑問を口にした。

「実はその答えも考えたんだけど、思ったのは、飼い主は黄金の卵を孵そうとはしたんだけれど、うまく行かなかったんじゃないか、てことなんだ」
 彼が答えた。

「卵が孵らなかった?」
 私は聞いた。
「かもしれない。黄金の卵は雛を孵すようにはできていなかったのかもね。もしくは、孵った雛は卵を生むようになっても、黄金の卵は生まないで、普通の卵しか産まなかったのかも」

「黄金の卵を生む能力が子供には伝わらなかった、と?」
「そう。そういうわけで、黄金の卵を生むガチョウはこの世に一羽しか存在できなかった」
「なるほどね~」
 私はうなずいた。

「でも」
 彼は私に顔を近づけて言った。
「君は違う。君の力はちゃんと子どもたちに伝わるはずだよ」
 にっこり笑っている。
 そして私に向かって言った。

「子供作ろう。できるだけたくさん」
「ええ~、そんな!そんな事いきなり言われても!」
 突然の言葉に私は驚いた。

 彼と付き合いだしてまだ三ヶ月。いくらなんでも早すぎ。
 私の戸惑いを無視して、彼は続けた。
「大丈夫、君は無事に赤ちゃんを生んで、授乳さえしてくれたらいい。あとの面倒な世話はぼくに任せていい。だから、なるべく間隔を開けずに、出産して欲しい」

 真剣な目だ。本気なの?
「ええ~、でも~」
 そんな軽々しく返事ができることではないよ。

「それで、生むのは絶対娘でなくちゃね。知ってる?腸内細菌は母親から子供に伝えられているんだ。男の子だとそこで途切れてしまう。それを避けるためにも、性判別済みの精子を使うべきだね」

 大真面目で力説している。
「ああ、その前に大切なことがあった。腸内細菌を子供に伝えるには、絶対下から産まなければならないんだ。帝王切開になるような事態は絶対に避けるべきだ。
 そうなると、子供は小さく生まれる方が安全だから、そんな遺伝子を強く持っている精液が望ましいな。まあ、初産の時だけ使えばいいだけで、その後はどんなに子供が大きくても大丈夫だろうけど」

「あの、それ本気?すると私はあなたの子供を生むわけじゃないの?」
「ん?別に僕の子供でも構わないけど?ただ、僕に赤ちゃんが小さく生まれる遺伝子があるかなあ?」

 駄目だ。
 話が根本的に合ってない。

 でも、どうだろう。前の二人よりはずいぶんマシだわよね。
 父親はどうあれ、たくさんの子供に恵まれるのは、それはそれで幸せかも。

 私は彼の案に乗ることにした。
 生まれてくる娘たちには、自分の経験をよく教えておこう。

終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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続・ガチョウと黄金の卵




「ガチョウと黄金の卵の話は知っているわよね?」
 私は彼に聞いた。

「もちろん知ってるさ。あの話の最後も、そして、君に起こったことも」
 彼は優しく微笑んだ。

 私は特異な腸内細菌をお腹に持っていた。私のそれを他の人に移植すると、結構な疾患が劇的に治るらしい。
 けれどそれらは他の人には定着せず、培養も難しいようだった。

 前の彼は、そのことに苦悩して、私の体の秘密を探るべく、承諾もなしに、無理やり、私のお腹を開いて、いくつかの臓器の一部を採っていった。

 そんな事があって、彼は塀の中。研究は別の人が引き継いだらしいけど、私の腸内細菌の培養に成功したとは聞いていない。
 私のあれは、今は黄金より高値で取引されているとか。

「ガチョウの飼い主は間違っていた。お腹の中に黄金の塊は入っていなかった。欲の掻きすぎだね」
 彼が言った。

 そう、欲の掻きすぎよ。あの手術で無事生還できたからいいけど、私が死んだらどうするつもりだったのかな。人類の損失だと思うんだけど。

「だから、欲はちょっとにすればよかったんだよ」
 ん?
 彼が変なことを言った。

「ちょっとの欲って?」
 私は聞いた。

「とにかく、ガチョウは黄金の卵を生んでくれるんだから、その生まれる卵ができるだけ大きいものになるように工夫すればよかったのさ」


 当たり前の話だが、毎日の食事の量や種類によって、腸内細菌群は微妙に変わる。
 私のそれも例外ではなく、疾患に対して著効を示すのに必要な移植の量は、かなりの変動幅があった。

 というわけで、私は彼が指定する種々の食品を指定された分量食べ、私の腸内細菌が最高のパワーを発揮するメニューを見つけることに協力することにした。

 いろいろ試す中で、どうやら発酵食品がいい結果をもたらすことがわかってきた。
 納豆、お漬物、チーズ。
 中でも強力に私の腸内細菌の効力を高めたのは、あのシュールストレミングだった。

 知ってます?あの死ぬほど臭い食品。

 彼は私にあれを三度々々食べるように強制した。しかもそれだけ食え、と。あとの必要な栄養素はサプリで取れ、と。

 拒否したら、監禁され、いま、目の前にシュールストレミングが山となってある。

 これを食べなければ、強制給餌されるのだろうか?まさしくガチョウだ。フォアグラはできないと思いたい。


終わり

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

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ジャック・リッチーの短篇集を読んで、その読みやすさに感銘を受けた火消茶腕です。

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